広島大学大学院医系科学研究科共生社会医学講座

プロジェクト

新型コロナウイルス感染症による高齢者医療・介護への影響調査

2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大下において、高齢者は重症化率、死亡率の高さ、感染予防に伴う日常生活制限による機能低下など多様なリスクのため、心身の状態に様々な影響が生じていたことが報告されています。
 そのため、当講座では、新型コロナウイルス感染症流行が高齢者医療提供体制や高齢者の人に及ぼした影響を明らかにするため、一般社団法人 日本老年医学会と共同で高齢者医療提供の専門家である日本老年医学会会員を対象に調査を実施しましたので、ここに報告書を公開します。
 2022年10月24日~12月9日に、日本老年医学会メーリングリストに登録している学会員を対象にWEBサイトを用いた無記名自記式調査を実施し、414名からの回答結果をまとめたものです。

第3回新型コロナウイルス感染症による医療・介護施設入所中の認知症者に対する影響に関する調査

2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大下において、高齢者は重症化率、死亡率の高さ、感染予防に伴う日常生活制限による機能低下など多様なリスクのため、心身の状態に様々な影響が生じていたことが報告されています。なかでも、認知症を持つ高齢者の人は大きな影響を受けたと言われています。
 そのため、当講座では広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座、一般社団法人 日本老年医学会と共同で、新型コロナウイルス感染症流行下において様々な医療・介護施設に入院/入所/入居されている認知症の人の実態やニーズ、さらに実施されている取り組みについて明らかにするための調査を実施しましたので、ここに報告書を公開します。
2023年1月17日~2月24日に本調査に協力頂いた団体会員である高齢者医療・介護施設を対象に、WEBサイトを用いた無記名自記式調査を実施し、995施設からの回答結果をまとめたものです。

調査主体

  • 広島⼤学⼤学院医系科学研究科共⽣社会医学講座・公衆衛⽣学講座、一般社団法人 日本老年医学会

協力団体

  • 一般社団法人 ⽇本慢性期医療協会
  • 公益社団法人 全国⽼⼈保健施設協会
  • 公益社団法人 全国⽼⼈福祉施設協議会
  • 公益社団法人 日本認知症グループホーム協会
  • 一般社団法人 全国介護付きホーム協会

なお、2020年6月1日~6月29日に実施した第1回調査、2021年11月1日~12月24日に実施した第2回調査についても、あわせて報告書を公開いたします。

第3回新型コロナウイルス感染症による居宅サービス受給認知症者に対する影響に関する調査

2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大下において、高齢者は重症化率、死亡率の高さ、感染予防に伴う日常生活制限による機能低下など多様なリスクのため、心身の状態に様々な影響が生じていたことが報告されています。なかでも、認知症を持つ高齢者の人は大きな影響を受けたと言われています。
 そのため、当講座では広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座、一般社団法人 日本老年医学会と共同で、在宅で介護保険の居宅サービスを受けている認知症の⽅の実態やニーズ、さらに実施されている取り組みについて明らかにするための調査を実施しましたので、ここに報告書を公開します。
2023年1月19日~2月24日に本調査に協力頂いた団体会員である介護支援専門員(ケアマネジャー)を対象に、WEBサイトを用いた無記名自記式調査を実施し、436名からの回答結果をまとめたものです。

調査主体

  • 広島⼤学⼤学院医系科学研究科共⽣社会医学講座・公衆衛⽣学講座、一般社団法人 日本老年医学会

協力団体

  • 一般社団法人 日本介護支援専門員協会
  • 一般社団法人 広島県介護支援専門員協会

なお、2020年6月18日~7月10日に実施した第1回調査、2021年10月29日~12月24日に実施した第2回調査についても、あわせて報告書を公開いたします。

第2回新型コロナウイルス感染症による医療・介護施設⼊所中の認知症者に対する影響調査

新型コロナウイルスに対するワクチンも普及が進み、過去最多である感染者数を記録した第5波も収束しつつあり、人々の関心はコロナ後に向かいつつあります。

しかし、ワクチンが普及した国においても新型コロナウイルス流行拡大がみられている国もあることから第6波の可能性を指摘する意見もあり、未だ予断は許しません。また、今後感染症に強い医療・介護システムの構築を目指すためにも、コロナ禍において経験したことを振り返ることは重要であると考えています。

昨年度に続き2回目となる本調査は、新型コロナウイルスの感染の影響がみられた2020年から現在に至るまでに、様々な医療・介護施設での認知症の方の実態やニーズ、さらに実施されている取組について調査することを目的としています。

結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

調査主体

  • 広島大学大学院医系科学研究科共生社会医学講座
  • 広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座
  • 一般社団法人 日本老年医学会

協力団体

  • 日本慢性期医療協会
  • 全国老人保健施設協会
  • 全国老人福祉施設協議会
  • 日本認知症グループホーム協会
  • 全国介護付きホーム協会

調査対象

  • 高齢者医療・介護施設

第2回新型コロナウイルス感染症による居宅サービス受給認知症者に対する影響調査

昨年度に続き2回目となる本調査は、新型コロナウイルスの感染症の影響がみられた2020年から現在に至るまでに、居宅サービス(地域密着型を含めた訪問系、通所系、短期入所サービスや福祉用具貸与などのその他のサービス)受けている認知症の方やご家族にみられた影響、実態やニーズ、さらに実施されている取組について把握することを目的として実施しています。

結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

調査主体

  • 広島大学大学院医系科学研究科共生社会医学講座
  • 広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座
  • 一般社団法人 日本老年医学会

協力団体

  • 日本介護支援専門員協会

調査対象

  • 介護支援専門員

研究「高齢者の健康状態を測定する尺度開発に関する研究」の実施

本講座が主体となり、高齢者の介護関連情報等を用いて、健康状態を測定する尺度開発研究を実施しています。

2021年6月17日~研究課題「高齢者の介護ニーズおよびその変化を測定する尺度開発に関する研究」を実施します。
本研究の概要、お問い合わせ先については、下記をご参照ください。

  • 本講座は、研究全般に関するお問い合わせに対応しておりますが、「データ利用」に関しては、対応出来かねます。
    お手数ですがデータ利用については、下記の【データを提供したくない場合のお申し出・その他データ利用に関する問合せ窓口】をご参照ください。

介護予防のためのパンフレット
「いきいきとした私の暮らし応援ガイド」作成

コロナ禍における外出自粛等の影響による体力低下・フレイルを予防するため、運動が重要であると言われています。しかし、実際には介護予防の重要性を理解していても、様々な課題により運動を実行にうつせていない高齢者の方が多くいます。

そこで、高齢者の課題やニーズにあわせて、サービスや支援などの地域資源をわかりやすい形で紹介することを目的として、広島県慢性期医療協会との共同研究において本パンフレットを作成しました。
作成にあたり、まずは介護予防に関してどのようなニーズがあるのか高齢者を対象に調査を実施しました。その結果を踏まえて有識者の先生方や市役所、地域包括支援センターの協力の下、地域の情報もふんだんに取り入れてご紹介しております。

本パンフレットの特徴として、介護予防のニーズと地域のリソースの対応を示した早見表を掲載しており、さらに介護予防の取組継続のため、「やる気を出したい」「頑張りを褒めてほしい」ときに励まされるよう、広島著名人から応援の音声メッセージをいただき掲載しています。

本パンフレットは広島市および大竹市を対象としてそれぞれ作成し、市役所や地域包括支援センター等の協力を得て配布を進めていただいております。

  • パンフレットに掲載されている音声は、地域住民の皆様がこの冊子を活用されながら介護予防に取り組んで頂くために作成されたものであり、無断で本目的以外に利用、コピー・複製することは認められません。
  • いきいきとした私の暮らし応援ガイド 広島市版
  • いきいきとした私の暮らし応援ガイド 大竹市版

パンフレットに関するお問い合わせ先
広島県慢性期医療協会 事務局 TEL:0827-57-7451
(受付時間 9:00~17:00 土日祝除く)

作成団体

  • 広島県慢性期医療協会
  • 広島大学大学院医系科学研究科共生社会医学講座

協力者

  • 広島大学大学院医系科学研究科精神機能制御科学研究室教授 岡村仁先生
  • 県立広島大学保健福祉学部 理学療法学科教授 金井秀作先生
  • 県立広島大学大学院 総合学術研究科人間文化学専攻 栄養科学研究分野教授 栢下淳先生
  • 日本歯科大学教授口腔リハビリテーション多摩クリニック院長 菊谷武先生
  • 広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科理学療法学教授 甲田宗嗣先生
  • 広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科作業療法学教授 谷川良博先生
  • 社会福祉法人ともえ会子鹿医療療育センター歯科医長 安井良一先生

一般病床および介護施設における「新型コロナウイルス感染症もしくはその疑いがある認知症高齢者の行動・心理症状の対応および身体拘束予防のための手引き(第1版)」の作成

認知症の人が新型コロナウイルスに感染した場合、認知症に伴う症状、特に行動・心理症状(※)への対応が課題であると言われています。例えば、感染に伴って認知症の症状が悪化したり、徘徊などによって隔離が困難であったりということが起こっていると言われています。また、新型コロナウイルス感染症ではせん妄(※※)が発症する危険性も高いことが報告されており、せん妄への対応も課題となります。こうした行動・心理症状やせん妄への対応は医療介護施設スタッフの負担にもつながります。さらに、身体拘束は緊急やむを得ない場合以外には認められておらず、医療介護現場では身体拘束を減らすための取組を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染症流行下においては、感染リスクコントロールや本人保護のため認知症に伴う行動・心理症状やせん妄に対して身体拘束が必要となるケースもあると言われています。

そこで、この度当講座では広島大学内外の団体と共に一般病床および介護施設における「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)もしくはその疑いがある認知症高齢者の行動・心理症状の対応および身体拘束予防のための手引き」を作成しました。本手引きは、せん妄や行動・心理症状に対し予防的な対応を行う事によってそれらの発生リスクを低減させること、発生時適切に対応することで身体拘束に可能な限り至らないようにすること、感染リスクのコントロールという公衆衛生上の要請によって身体拘束が避けられない場合であっても人権に配慮したかたちで実施されるようにすること、これらを通して認知症高齢者の権利を守ることを目的として、医療・介護従事者が具体的にCOVID-19もしくはその疑いがある認知症高齢者に対してどのように対応するべきか、特にせん妄や行動・心理症状と身体拘束について現時点における考え方を整理したものです。
印刷配布はご自由に行っていただいて差支えございません。

  • (※)行動・心理症状:認知症に伴って生じる行動面、心理面の症状。周囲との関わりの中で生じてくると言われており、暴言や暴力、興奮、抑うつ、不安、不眠、幻覚・妄想、徘徊、不潔行動、介護への抵抗などを含みます。
  • (※※)せん妄:何らかの疾患の影響によって生じる一種の意識障害で、高齢者に多く発症します。突然発症し、幻覚・妄想や睡眠障害、注意や意識の障害などの症状を呈します。
【一般病床】
【介護施設】

作成者・団体

  • 広島大学大学院医系科学研究科 共生社会医学講座
  • 広島大学大学院医系科学研究科 公衆衛生学講座
  • 広島大学大学院医系科学研究科 精神神経医科学講座
  • 広島大学病院 感染症科

協力者・団体

  • 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
  • 国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科長 小川朝生先生
  • 弁護士法人坂下法律事務所
  • 広島県新型コロナウイルス感染症医療福祉クラスター対応班

「認知症ご本人、ご家族向けの新型コロナウイルス感染症対応パンフレット」の作成

本講座が主となって実施した先般の調査では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大下において、調査対象の入所系医療・介護施設の約4割、介護支援専門員の約4割が介護サービスの制限や外出自粛等の感染予防の取組によって「認知症者に影響が生じた」とし、特に認知機能の低下、身体活動量の低下等の影響がみられたと回答しました。この調査結果を踏まえ、この度、認知症ご本人とご家族がご本人の状態に応じて実践できる感染予防や認知・身体機能悪化予防の取り組み、感染拡大時に備えるための基礎知識と具体的な行動プランをまとめたパンフレットを作成しました。
なお、印刷配布はご自由に行っていただいて差支えございません。

パンフレットPDFをダウンロード

協力団体

  • 広島大学病院感染症科
  • 広島大学公衆衛生学講座
  • 一般社団法人日本老年医学会
  • 公益社団法人認知症の人と家族の会広島支部

広島大学認知症シンポジウム

2020年10月7日 広島大学認知症シンポジウム「新型コロナウイルスと共存する時代の共生社会のあり方とは」を開催いたしました。
地域共生社会の理念とは、制度・分野の枠や「支える側」「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことの出来る、包括的なコミュニティ、地域や社会を創る考え方とされています。新型コロナウイルスによって人と人とのつながりが大きな影響を受けている今こそ、地域共生社会のあり方をもう一度見つめ直す時と思われます。
シンポジウムでは、認知症の方ご本人、医療機関、行政、民間企業の視点も交えて議論を行い、これからの日本に必要な共生社会のあり方やそれに至る道筋を考えました。 シンポジウムの動画はこちらです。

新型コロナウイルス感染症による医療・介護施設入所中の認知症者に対する影響に関する緊急調査

本調査は新型コロナウイルスの感染による影響が続く中、様々な医療・介護施設での認知症の方の実態やニーズ、さらに実施されている取組について調査することを目的として、一般社団法人 日本老年医学会および広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座と共同で実施するオンライン調査です。
結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

協力団体

新型コロナウイルス感染症による居宅サービス受給認知症者に対する影響に関する緊急調査

本調査は、新型コロナウイルスの感染による影響が続く中、介護保険の居宅サービスを受けている認知症の方の実態やニーズ、さらに実施されている取組について調査する事を目的として、一般社団法人 日本老年医学会および広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座と共同で実施する介護支援専門員を対象としたオンライン調査です。
結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

協力団体

新型コロナウイルス感染症予防のための認知症高齢者に対する支援のあり方に関する調査

本調査は、新型コロナウイルス感染拡大予防のための新しい生活様式を、認知症の方が実践するためにはどのような支援が適切か、認知症を専門とした医師の意見を聞くことを目的として、一般社団法人 日本老年医学会、公益社団法人 日本老年精神医学会、日本認知症学会が共同で実施する認知症疾患医療センターを対象とした郵送調査です。
結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。