広島大学大学院医系科学研究科共生社会医学講座

広島大学大学院医系科学研究科
共生社会医学講座
〒734-8553
広島県広島市南区霞1-2-3
特任教授 石井伸弥
E-mail:
sishii76[at]hiroshima-u.ac.jp

プロジェクト

一般病床および介護施設における「新型コロナウイルス感染症もしくはその疑いがある認知症高齢者の行動・心理症状の対応および身体拘束予防のための手引き(第1版)」の作成

 認知症の人が新型コロナウイルスに感染した場合、認知症に伴う症状、特に行動・心理症状(※)への対応が課題であると言われています。例えば、感染に伴って認知症の症状が悪化したり、徘徊などによって隔離が困難であったりということが起こっていると言われています。また、新型コロナウイルス感染症ではせん妄(※※)が発症する危険性も高いことが報告されており、せん妄への対応も課題となります。こうした行動・心理症状やせん妄への対応は医療介護施設スタッフの負担にもつながります。さらに、身体拘束は緊急やむを得ない場合以外には認められておらず、医療介護現場では身体拘束を減らすための取組を続けてきましたが、新型コロナウイルス感染症流行下においては、感染リスクコントロールや本人保護のため認知症に伴う行動・心理症状やせん妄に対して身体拘束が必要となるケースもあると言われています。

そこで、この度当講座では広島大学内外の団体と共に一般病床および介護施設における「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)もしくはその疑いがある認知症高齢者の行動・心理症状の対応および身体拘束予防のための手引き」を作成しました。本手引きは、せん妄や行動・心理症状に対し予防的な対応を行う事によってそれらの発生リスクを低減させること、発生時適切に対応することで身体拘束に可能な限り至らないようにすること、感染リスクのコントロールという公衆衛生上の要請によって身体拘束が避けられない場合であっても人権に配慮したかたちで実施されるようにすること、これらを通して認知症高齢者の権利を守ることを目的として、医療・介護従事者が具体的にCOVID-19もしくはその疑いがある認知症高齢者に対してどのように対応するべきか、特にせん妄や行動・心理症状と身体拘束について現時点における考え方を整理したものです。
印刷配布はご自由に行っていただいて差支えございません。

(※)行動・心理症状:認知症に伴って生じる行動面、心理面の症状。周囲との関わりの中で生じてくると言われており、暴言や暴力、興奮、抑うつ、不安、不眠、幻覚・妄想、徘徊、不潔行動、介護への抵抗などを含みます。
(※※)せん妄:何らかの疾患の影響によって生じる一種の意識障害で、高齢者に多く発症します。突然発症し、幻覚・妄想や睡眠障害、注意や意識の障害などの症状を呈します。

【一般病床】
pdf認知症対応手引き(PDF)
pdfBPSD対応フローチャート(PDF)
wordコロナによる身体拘束説明書(Word)
pdf身体拘束フローチャート(PDF)

【介護施設】
pdf認知症対応手引き(PDF)
pdfBPSD対応フローチャート(PDF)
wordコロナによる身体拘束説明書(Word)
pdf身体拘束フローチャート(PDF)

作成者・団体

  • 広島大学大学院医系科学研究科 共生社会医学講座
  • 広島大学大学院医系科学研究科 公衆衛生学講座
  • 広島大学大学院医系科学研究科 精神神経医科学講座
  • 広島大学病院 感染症科

協力者・団体

  • 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
  • 国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科長 小川朝生先生
  • 弁護士法人坂下法律事務所
  • 広島県新型コロナウイルス感染症医療福祉クラスター対応班

「認知症ご本人、ご家族向けの新型コロナウイルス感染症対応パンフレット」の作成

 本講座が主となって実施した先般の調査では、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大下において、調査対象の入所系医療・介護施設の約4割、介護支援専門員の約4割が介護サービスの制限や外出自粛等の感染予防の取組によって「認知症者に影響が生じた」とし、特に認知機能の低下、身体活動量の低下等の影響がみられたと回答しました。この調査結果を踏まえ、この度、認知症ご本人とご家族がご本人の状態に応じて実践できる感染予防や認知・身体機能悪化予防の取り組み、感染拡大時に備えるための基礎知識と具体的な行動プランをまとめたパンフレットを作成しました。
なお、印刷配布はご自由に行っていただいて差支えございません。

pdf新型コロナ感染拡大の今、認知症の方とともに地域で生きることについて国民の皆様にお伝えしたいメッセージ(PDF)


パンフレットPDFをダウンロード

pdf読みやすいように、字を大きくしたパンフレットもご用意しました(PDF)

協力団体

  • 広島大学病院感染症科
  • 広島大学公衆衛生学講座
  • 一般社団法人日本老年医学会
  • 公益社団法人認知症の人と家族の会広島支部

広島大学認知症シンポジウム

 2020年10月7日 広島大学認知症シンポジウム「新型コロナウイルスと共存する時代の共生社会のあり方とは」を開催いたしました。
地域共生社会の理念とは、制度・分野の枠や「支える側」「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人一人が生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことの出来る、包括的なコミュニティ、地域や社会を創る考え方とされています。新型コロナウイルスによって人と人とのつながりが大きな影響を受けている今こそ、地域共生社会のあり方をもう一度見つめ直す時と思われます。
シンポジウムでは、認知症の方ご本人、医療機関、行政、民間企業の視点も交えて議論を行い、これからの日本に必要な共生社会のあり方やそれに至る道筋を考えました。 シンポジウムの動画はこちらです。

新型コロナウイルス感染症による医療・介護施設入所中の認知症者に対する影響に関する緊急調査

 本調査は新型コロナウイルスの感染による影響が続く中、様々な医療・介護施設での認知症の方の実態やニーズ、さらに実施されている取組について調査することを目的として、一般社団法人 日本老年医学会および広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座と共同で実施するオンライン調査です。
 結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

協力団体

新型コロナウイルス感染症による居宅サービス受給認知症者に対する影響に関する緊急調査

 本調査は、新型コロナウイルスの感染による影響が続く中、介護保険の居宅サービスを受けている認知症の方の実態やニーズ、さらに実施されている取組について調査する事を目的として、一般社団法人 日本老年医学会および広島大学大学院医系科学研究科公衆衛生学講座と共同で実施する介護支援専門員を対象としたオンライン調査です。
 結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

協力団体

新型コロナウイルス感染症予防のための認知症高齢者に対する支援のあり方に関する調査

 本調査は、新型コロナウイルス感染拡大予防のための新しい生活様式を、認知症の方が実践するためにはどのような支援が適切か、認知症を専門とした医師の意見を聞くことを目的として、一般社団法人 日本老年医学会、公益社団法人 日本老年精神医学会、日本認知症学会が共同で実施する認知症疾患医療センターを対象とした郵送調査です。
 結果については、後日、本サイトや医学雑誌等を通じて情報提供させて頂く予定です。

広島大学大学院医系科学研究科
共生社会医学講座
〒734-8553 広島県広島市南区霞1-2-3
特任教授 石井伸弥
E-mail:sishii76[at]hiroshima-u.ac.jp

PAGE TOP